[第5回] LANCIAデルタ・フルリセット『リア周り・駆動系』
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点検開始!
 
 QUICKがそのノウハウの全てをつぎ込んで取り組む「リセットカー」。ご依頼主のM脇様のご協力を得て、入庫から納車までの全作業をお届けするレポート第5弾です!(こちらのコーナーで掲載している内容が全てのリセット作業の際に行われるわけではなく、ベース車両の状態に応じて適宜工程を追加しています。)

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 山口県から遠路ご入庫頂いております、LANCIA DELTA ブルーラゴス。エンジンなどの動力部分のリセット作業が進むにつれて、他のボディー部分やパワートレインに付随する部分もエンジンをセットアップする前に整えておかなくてはいけません。
 この作業過程でも、さまざまな問題や注意点があります。今回はそのご報告となっております。


駆動系リセット
駆動系リセット
リヤデフを支え、リヤ足回りの要であるリヤサブフレームです。永年の過酷な使用状況で錆などが出始めていた状況でしたが!!!滑り込みセーーーフでした。まだまだ大丈夫。この段階で一度サンドブラスト処理をして錆や古い塗装などを全て取り除きます。
駆動系リセット
そして金属をむき出しにした状態からまず、防錆塗料を丁寧にぬります。金属部分が絶対に露出しないように特に注意します。完全に防錆塗料が乾き、溶剤分(シンナー)が無くなったら、本来の塗装を施します。

本来の状態にもどりました。
駆動系リセット
ミッションは勿論フルオーバーホールとなります。全てを分解して各部の磨耗やベリングの状態、そして一番肝心なギアの磨耗点検、シンクロの状態など綿密な計測と熟練したメカニックの目で一点一点、正常な状態か確かめます。
駆動系リセット
 
駆動系リセット
 
駆動系リセット
 
駆動系リセット
ミッションを使用する時に一番気になるシフトアップ&シフトダウン時の作動状態、スムーズなシフトが出来なかったたり、異音がする時は大部分がこのシンクロがダメになっています。交換や修整が必要かを判断するには、かなり高度な経験の積み重ね(キャリア)が必要となってきます。
駆動系リセット
 
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駆動系リセット
 
駆動系リセット
よく忘れがちな部品がこのエンジンマウントです!主要エンジンマウントは4箇所あり、総重量で100kgを軽く超えるエンジン&ミッションの重量をたった4個のマウントで支えています。さらに、ただ支えるのではなく、エンジンの駆動トルクが掛かればトルクの力分だけ支える部分に応力が掛かります。非常に過酷な状況で酷使されているのですが、あまり気を使っているオーナーはいないようです。
駆動系リセット
今回のDELTAも画像から判断できますように、新品のマウントと比べて15年使用したマウントでは高さが15~20mmも圧縮されていました。これでは本来のマウントの役目は果たせません。これだけマウントが沈み込むと色々と支障がでてきます。シフトリンケージにシフトシャフトが本来より低い位置で作動となる為、シフトチェンジがスムーズに行かなくなります。
また、ドライブシャフトやプロペラシャフトの位置関係も正常値と異なってくる為に、走行上にも問題が出てDELTA本来の走りやフィーリングが出なくなってきます。
駆動系リセット
 
駆動系リセット
センターデフのオイルシールですが、こちらも既にメーカーが生産を終了してしまい、他のサードパーティーでも入手は出来ない部品となっております。このシールは構造と規格が特殊な為、汎用タイプを国内、国外を含め探しましたが、互換性のある物は生産されていませんでした。まさにLANCIA社がDELTAの設計に対して独自に規格したもので、このようなサイズと規格にしたのにはきっと深い考えと技術的なこだわりがあったものと思われます。

しかし、今となってはこの独創性が仇となって我々メカニックを困らせています。たった1つのオイルシールが無くても車は走れません。巷でよく言われる”困った時は中古部品”は通用しません。なぜなら、オイルシールは一度装着したら取り外すときは壊す以外に手立てがないからです。仮にうまく外れたとしても、10年~20年センターシャフトが回り続ける部分に擦り続けたゴム製のシールがこれからも良い状態で保たれるはずもありません。
駆動系リセット
要するに、この部品も含めゴム製の部品はタイヤが良い例で、ある程度の期間を過ぎると使用してもしなくても確実に劣化してくるのです。勿論この事はLANCIA DELTAに限らず全ての車に当てはまります。従って、中古車でよく売りにしている走行距離が短いから程度が良いなどと言う根拠は無いと思われます。

このような状況を踏まえて、QUICKではこのオイルシールをシールメーカーに特注して生産して頂きましたので、リセット作業には何ら支障がございません。ご安心下さい。リセット作業は単に作業が出来れば誰でも出来るという事ではありません。こうした部品の確保などの地道なフォローがあって、初めて可能となります。
駆動系リセット
 
駆動系リセット
 
駆動系リセット
電装系のターミナルや配線もかなり痛んでいました。永年大きな電流が流れて、ターミナル部分はどうしても接触抵抗が増えてしまい、結果、熱を持ち更に配線が焼けてしまうのです。こうした状態の配線部分も全て作り直します。
駆動系リセット
 
駆動系リセット
クラッチ部分の要であるフライホイールも綺麗にリセットされて回転バランスを点検したのち、エンジン本体に着装します。更にクラッチディスク&カバーを取付て最後にオーバーホールを終えたミッション本体、センターデフを取付け、エンジン本体の概要が出来上がってきました。
駆動系リセット
 
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いよいよ次回はエンジン&ミッション搭載!?
 パワートレインのリセット作業も山場を越えました。エンジン&ミッションを載せる作業はもう直ぐです。
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